従業員のリモートワークを認める企業が増えるにつれ、オフィスはますます小さくなっていきます。多くの企業はコロナ後の時代に向けて変わろうとしており、その多くが現在のオフィス環境からより無駄のないダイナミックなワークスペースへの転換を図ろうとしています。この変化こそ企業運営を改善できるチャンスです。
研究によれば、オフィス環境は従業員の生産性に直接影響を及ぼします 。[1]かつて、スタートアップ企業のいくつかはオープンプラン式オフィス(デスクを壁や間仕切りで仕切らないオフィス。)のレイアウトを、生産性向上に欠かせないものだと褒めちぎっていました。原理上、物理的に従業員を隔てる壁がないことは従業員を協力して働かせるための最善の方法のように思われます。しかし、実際の例が示すように実情は必ずしもそうとは限りません。[2] ほとんどの従業員がオープンプラン式オフィスがもたらす騒音を不快に感じていました。また、職場のプライバシーも著しく低下しました。自分の仕事がオープンになりすぎていると感じ、従業員同士のやり取りが少なくなっていきました。そのオフィス構造のおかげで、従業員同士が自由に会話ができるようになったものの、あまりにもオープンすぎて弊害が発生したのです。[3]
ホワイトボードやディスプレイといった機器は、グループでアイデアを具体化したり、コンテンツを共有したりする場合に用いる定番の会議ツールです。そのため、どこのオフィスでも見かけます。多くの企業がハイブリッドで業務を行っているため、Webカメラや高品質のオーディオシステムも必需品になるでしょう。しかし、オフィスのスペースが縮小していくとなると、新たなハードウェアの導入は厄介な結果につながる可能性があります。すでに多くのものであふれている部屋にさらに物が増えるのです。企業はテクノロジーの統合を図り、この問題を解決する必要があります。
それぞれが別々の要件を満たす複数のツール(一般的なテレビやディスプレイ・プロジェクター・タブレット・スピーカー・マイクなど)を購入・設置する代わりに、そういった機器が提供するすべての機能を1つのシステムに統合する電子黒板といった機器を検討してみてください。電子黒板は場所を取らないだけでなく、プレゼンテーション用の画面、クラウドホワイトボード、VoIPシステム(インターネット回線を利用して音声データを送受信する技術)といった複数のコラボレーションツールを、一つの扱いやすい機器に便利に統合できます。
ミーティングの形や形式は様々です。そのため、会議室はそういったニーズに合わせて構成可能なものである必要があります。部屋の大きさに関係なく、その日の使用目的に応じてすぐに従業員が会議室を使えるようでなくてはなりません。例えば、少人数の従業員がリモート勤務の従業員とビデオ通話をするのに会議室を使わなければならない場合、必要なのは大型のディスプレイ1台とカメラとマイク、グループの人数が座れるだけの椅子。これだけです。専用のホワイトボードと、デザインソフトやCADなどの専門のソフトウェアが必要な場合は、クラウドホワイトボード機能付きの電子黒板とプロジェクトの進捗を示すための一般的なディスプレイの2つのディスプレイを使うことができればいいのです。
インタラクティブ
ブレインストーミング
グループビデオ会議
グループ プレゼンテーション
モジュール式会議室は、テーブルも任意です。以前はメモを取ったり、資料を提示したりするのにノートパソコンをのせるためのテーブルが必要でした。しかし、電子黒板がミーティングルームにあれば、自分の機器を持ち込む必要はなくなります。プレゼンテーションを行う場合は、USBかクラウドストレージアカウントからファイルを簡単にダウンロードするだけです。ミーティング内容を簡単に記録して、そのファイルを全員にメールで送るだけで、議事録代わりになります。場所を取る大きなテーブルがなければ、よりモジュール度の高い可変型の会議室を構築できます。つまり、自分たちの要件に合わせて会議室のレイアウトを素早く変更できるということです。
これは、テーブルを会議室から完全に閉め出すということではありません。入れたり出したり折りたたんだり、積み重ねたり折り曲げたりできるモジュール式家具にすれば、従業員は必要に応じて機材やレイアウトを変更できるようになります。
『Journal of Applied Psychology』に、立ったミーティングと座ったミーティングとで成果を比較する実験が発表されました。チームの相乗効果から見て、両者に違いはありませんでした。しかし、会議が終わるスピードを比較すると立ったミーティングの方が実際速く、つまり効率的であることが明らかになりました。[6]
ごく最近の発表から、これらの研究成果にはさらに研究を重ねる価値があることが分かります。ただ立つというだけで、チームはミーティングの長さを約25%にまでカットできるようになっています。例えば、48分かかっていたミーティングが36分に短縮されていました。立つことで、従業員はそれぞれのノートパソコンの前に座っているときのように気を散らすことなく、進行中の議論により注意を払うようになりました。また、立っている状況から座りたいという体の欲求により、従業員は目の前の作業を早く終わらせようという気持ちを抱くようになります。[7]
立ってミーティング行う会議室には椅子がないため、参加者はより多くのスペースを活用できます。可動式の電子黒板を1台以上用意することで、会議室の構成に様々な可能性が広がります。例えば、それぞれのチームがチーム内で小規模なディスカッションを行う場合、ディスプレイは部屋の隅に寄せておきます。それぞれのディスカッションが終了したら、ディスプレイを近くへ寄せて1つのグループとしてアイデアを発表したり意見を集約したりすることができます。
ハイブリッドコラボレーション
ブレイクアウトセッション
クリエイティブエクササイズ
ソーシャルディスタンスを置くことが必要な状況を考慮すれば、スペースに余裕がある方が有益です。このように会議室はリスクを最小限に抑えながら、まだまだ活用の幅を広げることができます。