テレビからランプまで、一見してあらゆるデバイスが「スマート」でワイヤレスに接続されるモノのインターネット(IoT)時代では、これらの接続デバイスをできる限り最新状態に保ち、セキュリティ、互換性、完全な機能性を確保する必要性がますます高まっています。しかし、かつて有線接続やソフトウェアバージョン、さまざまな手順に存在した面倒な作業は、ワイヤレス接続がはじまったことで合理化が進んでいます。ワイヤレスでインターネットに接続するデバイスは、OTAによるアップデートに依存するようになってきています。
OTA(=Over The Air)とはその名の通り、デバイスを制御するソフトウェア(ファームウェア)やデバイスにインストールされたアプリケーションを、デバイスのワイヤレス接続を介してプログラミング(主にアップデート)することを指します。このプロセスは、スマートフォンを使用する日常生活でもよく見られるものです。スマートフォンではユーザーの個人設定に応じて、新規バージョン公開時に必ずオペレーティングシステムが自動的にアップデートを行います。
OTAアップデートの最大のメリットは、それを使うことで、物理的な接続を使用したアップデートにかかる労力が不要になるという点を説明するとすぐ明らかになります。このことは企業や大企業のIT部門にも当てはまります。1ユーザーの場合は物理接続やいくつかの手順は大したことのないように見えますが、数百のデバイスがある組織の場合は言うまでもなく、異なる製品モデルやさまざまなソフトウェアバージョン、デバイスアクセスのしづらさなど、それに関わる技術知識によって相当の時間がかかる場合があります。
OTAアップデートを利用するもう1つの大きなメリットは、OTAアップデートに対応しているソフトウェアのほとんどに、アップデートが利用可能になったことを知らせる通知の仕組みが組み込まれているという点です。従来のアップデートでは、アップデートが利用可能かどうかを積極的に確認しにいくのはユーザーやIT部門の責任でしたが、OTAアップデートではアップデートが利用可能であることをユーザーにすぐに知らせ、その場でアップデートするかどうかを決定します。
OTAアップデートを利用するメリットは、上記で説明したこと以外にもあるでしょうか。OTAアップデートがもたらす従来のメリット以外にも、OTAアップデートの仕組みを強化する方法が複数存在します。これを念頭に置き、BenQは以下に説明する機能を実装してより優れた利便性と信頼性をユーザーに提供することで、自社製品の設計、エンジニアリング、OTAアップデートの実行をさらに最適化しました。
BenQのOTAシステムではAmazon Web Services(AWS)のサーバーを利用しています。AWSは世界中に地域ハブに配置され、システムが各デバイスの最寄りのAWSサーバーの位置を特定することができるコンテンツ配信ネットワーク(CDN)と組み合わされており、一致するサーバーを経由してOTAアップデートを実行します。そのため、高速で信頼性の高いOTAダウンロード接続が提供されるのです。
OTAアップデート対応の全BenQデバイスのハードウェアは、システムメモリ内のA/Bシームレス設計で特別に作られていて、想定外の電源オフや停電といった混乱でアップデートが失敗したり、最悪の場合はシステムに損害を与えたりといったことを防ぎます。